この記事では、トランポリンのバッジテスト1級に合格する方法を、トランポリン歴15年以上で現役指導員である私が解説します。
いよいよ1級ですね!
1級は2級までと比べると急にハードモードです。
ボール検定も2級よりもはるかに難しくなってます。
この記事では普段私が指導している内容を詰め込んだので、是非しっかり読んで練習して、バッジテストの制覇を目指してください!
1級を受けるためには2級に合格していなければならないので、2級がまだの方はこちらの記事も参考にしてみてください。
トランポリンのバッジテスト1級の全体像
まずは、10種目の技の確認をしていきましょう。
※( )内は通称
No. | トランポリン・バッジテスト1級 種目 |
1 | 1回捻り腰落ち(フルシート) |
2 | スイブルヒップス(スイブル) |
3 | 1/2捻り立つ(ハーフ立ち) |
4 | 開脚跳び(パー、ストラドル) |
5 | 1/2捻り腹落ち(ハーフフロント) |
6 | ターンテーブル |
7 | 立つ |
8 | 抱え跳び(グー、タッグ) |
9 | 1回捻り跳び(フルピルエット) |
10 | 反動閉脚跳び(エビ反り) |
太字が合格の肝になるポイントです。
動画でも確認してくださいね。
2級までと異なり、それぞれの技が単体でも難しくなってきています。
10種目目の反動閉脚跳び、通称エビ反りに関しては腹筋と背筋が弱いとできないので、ある程度の筋トレが必要になります。
逆に言えば、腹筋と背筋があれば解決しますが。
それ以外にもハードルが高めの技が多いので、この後3つにフォーカスして解説していきます。
また、ボール検定も難しくなっています。
こちらについても解説していきますね。
トランポリンのバッジテスト1級に合格するポイント
さて、まずは10種目の解説です。
つまずくポイントやその対策を3つに絞って解説していきます。
なぜできないか、どうすればできるようになるかを解説していきます。
「1種目目:1回捻り腰落ち(フルシート)」
トランポリンのバッジテスト1級合格のための最初のポイントは1回捻り腰落ち、通称フルシートです。
これまでのバッジテストでは、シート(腰落ち)や半分捻ってからシートをするハーフシート(1/2捻り腰落ち)はやったことがあると思います。
フルシートはシートの前に1回捻りを加えた技です。
演技の最初の技が安定しないとその後の演技に大きな影響が出てしまうので、安定したフルシートを手に入れられるように練習しましょう。
「1種目目:1回捻り腰落ち(フルシート)」でつまずくポイント
できない人の多くは、1回ひねるどころか、半分で止まってしまいます。
つまり、フルシートをやろうとしても、ハーフシートになってしまうケースです。
そして、ここを乗り越えてもフルシートをやった後に正面を向いてシートの姿勢に慣れないケースがあります。
この2つが大きなハードルになっています。
逆に言えば、この2つさえ乗り越えればフルシートは完成したようなものです。
「1種目目:1回捻り腰落ち(フルシート)」ができるようになる方法
では、このようなハードルを乗り越え、フルシートができるようになる方法をお伝えします。
前提となる「ハーフシートとフルシートの違い」は全員が知るべき内容です。
その後、2つの対策を解説しますが、まずは直感でやってみようと思った方に挑戦してみてください。
片方だけでできるようになる生徒さんも多数いましたが、なかなかうまくいかなければもう一方の対策も試してみてください。
Step.1 ハーフシートとの違いを知る
まずは、ハーフシートとフルシートの違いを知りましょう。
「ハーフシートのときに半分捻ってるからもう半分捻ればいいんでしょ?」という生徒さんが本当にたくさんいます。
しかし、それは全くの間違いです。
ハーフシートの延長にフルシートはありません。
全く別の技と認識してください。
どのように違うかというと、技の入り方が大きく異なります。
ハーフシートはストレートジャンプの状態から前に体を倒して半分捻ります。
こうすれば自然とハーフシートになります。
おそらく、ほとんどの方はあまり苦労せずにできるようになったと思います。
しかし、フルシートは逆です。
ストレートジャンプから後ろに体を倒すのです。
後ろに体を倒しながら一回捻ってシートの姿勢になるのです。
この違いをまずは認識してください。
勘のいい方や運動神経がいい方は、この一言でできるようになってしまいます。
イメージとしては、シートをしたときにかかとが落ちるであろう場所を目指して少し足を前に出し、それを基準に体が一直線になるように上半身を空中で倒します。
そのまま一回捻ればフルシートになります。
文字にするとややこしく感じるかもしれませんが、とにかく、前ではなく後ろに体を倒すということを目指して下さい。
これがハーフシートとフルシートの違いです。
Step.2 片足を残してフルシート
では、具体的な対策を解説します。
トランポリンに乗ってください。
ジャンプはせず、そのまま両手を上にあげてください。
フルシートの捻りが右回転(時計回り)の場合は左足、左回転(反時計回り)の場合は右足を軽く上げてください。
イメージできていますか?
その状態で軽く上下に跳ねてみてください。
そして、挙げた方の足を軸にするイメージで一回捻ってみてください。
こうすることで、ハーフシートのように体を前に傾けてしまうことを防げます。
この練習を繰り返して、ハーフシートとは違うんだ、ということを体で覚えてください。
Step.3 スタート地点をずらす
体を後ろに倒すことに抵抗がそもそもなかったり、ハーフシートとの違いを認識できたりしたらあと一歩です。
一回捻ってシートをしたときに、きちんと正面でシートの姿勢になれたら、バッジテスト1級で合格できるようなフルシートは完成です。
これは一回捻ることに慣れていないことが原因です。
なので、感覚が狂ってしまう前に、正面でシートの姿勢になる感覚を焼き付けてしまいましょう。
正面を向いてフルシートをやって回転不足で回りきれないので、そもそも最初を正面ではなく、90度ほどずらして練習するのです。
言うなれば、3/4捻り腰落ち、といったところでしょうか。
これをやるときちんと正面を向けるようになります。
不思議ですよね、でもできちゃうんです。
これに慣れてきたら、少しずつ角度を小さくしていきましょう。
90度スタートで問題がなくなったら80度スタートで練習し、それもできたら70度にして…といった形で少しずつフルシートに近づけていくのです。
この練習をすれば、1級合格で必要なレベルのフルシートは問題なくできるようになりますよ!
「5種目目:1/2捻り腹落ち(ハーフフロント)」
続いては、ハーフフロントです。
半分捻ってからフロントをする技です。
個人的に、バッジテストの中で一番難しい技だと思います。
そして、一番怖い技だとも思います(笑)
私の主観と一致するように、ハーフフロントを怖がる生徒はめちゃくちゃ多いんです。
気持ちはわかりますが、これを乗り越えなければ1級合格はあり得ないのでガンバりましょう。
「5種目目:1/2捻り腹落ち(ハーフフロント)」でつまずくポイント
つまずく原因の多くは、恐怖心です。
フロントそのものを苦手にする生徒、怖がる生徒はたくさんいるので、半分捻るとなるとそれも納得ですね。
なぜ怖いかというと、フロントで前に突っ込んでしまうこと、または過去そうやってしまった記憶が原因ではないかと私は考えています。
なので、ハーフフロントは恐怖心に打ち勝って、正しい姿勢を身に着けるに尽きます。
できるようになると、なんてことはない技だったなと実感できると思います。
「5種目目:1/2捻り腹落ち(ハーフフロント)」をできるようになる方法
それでは、ハーフフロントの恐怖を乗り越えるための方法を伝授します。
ハーフフロントは頭で理解して簡単に練習に反映できる人ばかりではないので、少しずつステップアップしていきましょう。
まずは、正しい形を知り、それに近づけていく練習をしましょう。
Step.1 正しい位置でフロントをできるようにする
フロントでも前に突っ込んではいけないと学んだと思いますが、ハーフフロントでも同様です。
半分捻っていますが、同じです。
水泳の飛び込みのようになっては腰を痛めてしまいます。
トランポリンの中心には十字が描かれています。
その十字の交点でストレートジャンプをしてハーフフロントにつなげてほしいのですが、ハーフフロントをしたときに、胸が十字の交点にくるようにしてください。
これが正しい形です。
それよりも前後にずれると、絶対に腰や首に負担がかかります。
それを避けるために、上に跳び、そのままフロントをやってください。
そうすることで、自然と十字に胸が来るようになり、これが正しいハーフフロントの形です。
ぜいたくを言えば、片手をあげ、その指先に目線を向けてほしいのですが、それができなくてもバッジテスト1級は合格できるので、まずは、十字の交点に胸が来るようなハーフフロントを目指してください。
Step.2 飛び込む恐怖を「マットを使って」乗り越える
では、恐怖心を消しながら正しい形を覚える練習方法です。
薄いマットレスのような、補助マットをトランポリンの上に敷いてください。
この補助マットの中心に立ち、軽く跳ね、半分捻ってよつんばいになる練習をしてください。
半分捻りながら後ろ向きに飛ぶこと、体を下げることの練習です。
このとき、トランポリンの中心に上半身が来るように意識してください。
これに慣れたら、よつんばいではなく、フロントの姿勢を意識してやってみてください。
この順で練習をすれば、おそらくハーフフロントらしい動きができます。
さらに、トランポリンの中心に胸が来るようにしているので、前後に大きくずれることがありません。
その結果、自然な動き・正しい姿勢にかなり近づくため、腰や首の負担はほとんど消えるはずです。
これを繰り返すと、ハーフフロントの恐怖心はかなり軽減されます。
その後は徐々に高さを出してこの練習をしてください。
これでもうこの練習は大丈夫!となったら、いよいよ補助マットなしです。
補助マットありでやったときと同じようにやってみてください。
思ってる以上にスッとできるはずです。
ここで大事なのは、補助マットなしの最初の一回を思い切ってやることです。
補助マットありで、大丈夫と思えるまで練習しています。
きちんとできているんです。
しかし、最初の一回ってものすごく怖いんですよね。
未知の恐怖というやつです。
しかし、技術的には問題ない水準に到達できています。
怖いという気持ちをぐっとこらえて、思い切ってやってみてください。
この最初の一回さえ乗り越えられれば、ハーフフロントの完成まであと一歩です。
この一回をチャレンジできれば、二回目、三回目のトライはほとんど怖くありません。
自分にとって良いタイミングを探しながら練習していけば、ハーフフロントをいつでもできるようになりますよ。
「6種目目:1/2横回り腹落ち(ターンテーブル)」
3つ目のポイントはターンテーブルです。
フロントをしたらそのまま180度分の横回転をしてフロントの姿勢になる技です。
シートをした後に半分捻ってシートの姿勢になるスイブルの親戚のような技です。
5種目目のハーフフロントに続き、フロント系の技が続いてなかなかハードですが、あきらめずにガンバってください。
「6種目目:1/2横回り腹落ち(ターンテーブル)」でつまずくポイント
ターンテーブルでつまずくポイントは非常にシンプルです。
180度回りきれないのです。
180度回りきれなければ技として認めてもらえないので、回りきれなければ中断と判断されてしまいます。
なので、きちんと180度回りきれるように練習していきましょう。
「6種目目:1/2横回り腹落ち(ターンテーブル)」をできるようになる方法
それでは、ターンテーブルをきちんと180度回れるようになる方法を伝授します。
コツは3つです。
これらを組み合わせて練習を続ければ必ずできるようになりますよ。
その① 全力で手を使ってトランポリンを押す
まずは手です。
多くの初心者さんは、手が全く仕事をしていません。
トランポリンを触っているだけになってしまうのです。
半分も体を回さないといけないので、できる限り回転をつけなければなりません。
そのために手を活用してください。
手でしっかりとトランポリンを押し、体を思いっきり回すようにしましょう。
最初はなかなかできなくても、意識して練習を続けてください。
これがあるとないとでは大きな差が生まれてしまいます。
手で押すことを忘れないでください。
その② 回転中は体をできるだけ小さくする
次は、回転しているときの姿勢です。
タッグの姿勢を90度回転させたような姿勢ですが、このとき、できる限り小さくなってください。
足をコンパクトに上半身の前で抱え込んで、手もひっこめてください。
理由はシンプルで、空気抵抗を小さくするためです。
縦回転だろうと横回転だろうと、小さくなった方が回転はかかりやすいのです。
余談ですが、体を抱え込んだままの宙返り(抱え込み宙返り、タッグバック)よりも体を開いて伸びた姿勢の宙返り(伸身宙返り、レイアウトバック)の方が難度点は高くなります。
理由はシンプルで、体を開いた方が、回転がかかりにくく、難しいからです。
なので、ターンテーブルも、180度回りきらないのであれば、グッと体を小さく抱え込んで回ってください。
その③ 合計180度を目指し、1回で180度を目指していく
最後は、これら2つを組み合わせた練習です。
1回で180度回りきれないと途中であきらめてしまいたくなる気持ちはわかりますが、最初は2回・3回と続けていいので180度回りきることを意識してください。
最初のうちは、60度ずつを3回続けて180度回りきる練習、その次は90度ずつ180度回りきる練習…というように少しずつ回転できる角度を増やしていく練習です。
手で押すこと、体を小さくすることを意識しながら練習を続けることでターンテーブルはできるようになります。
こんな感じで、少しずつ回転できる角度を増やしていきましょう。
トランポリンのバッジテスト1級のボールテスト
続きまして、トランポリンのバッジテスト1級のボール検定です。
これははっきり言ってかなり難しいです。
検定の内容は
- ゆさぶりジャンプから、山なりに投げられたボールに向かってタイミングよく跳び、頭上でキャッチ
- 高くジャンプして背筋を使って長い距離投げる
です。
なかなか言葉が難しいので、それぞれ説明していきますね。
ゆさぶりジャンプ
ゆさぶりジャンプとは足がトランポリンから離れない程度に上下に揺れているような状態です。
上下運動はしているけど、ジャンプするほどではない、というちょうどいい状態で待機しているということです。
陸上で言えば走り出す前の足踏みのようなものでしょうか。
ジャンプ手前の準備、というイメージです。
タイミングよく跳ぶ
これはボールを投げるコーチの試験なんじゃないかと思う難しさですが、山なりの軌道になるようにコーチがボールを高く投げます。
それを、ゆさぶりジャンプをしながらタイミングよく一気にジャンプします。
さらに、両手を上に挙げてそのまま山なりに投げられたボールを頭上でキャッチする、ということです。
まあ、難しい。
個人的にはもはやこれはトランポリンではないですね(笑)
バッジテスト自体がトランポリン以外の種目の人も想定しているからですね。
それに関してはこちらで説明しています。
背筋を使って長い距離投げる
これは反動閉脚跳び、とまではいかなくとも、体を反るようにして投げればOKです。
サッカーのスローインやバレーのアタックのように背中の筋肉を使うような投げ方をするということです。
それを高くジャンプして、遠くまで、という条件は付きますが。
遠くまでとはどこまでか、という問題もありますが、コーチに投げ返せればOKです。
バッジテスト1級のボール検定のまとめ
ボールキャッチに関しては、バスケットボールのリバウンドをとることをイメージされてそうです。
ボールの軌道、ジャンプのタイミング、頭上でキャッチという3つの要素が求められています。
投げ返しに関しては、体を反ってその反動を使う動作全般になりますね。
しかも、ボールを投げることで道具をうまく使う練習も想定されているのではと考えています。
1級のボール検定が最大の難関だと思うので、繰り返し練習して身に着けてください。
トランポリンのバッジテスト1級合格のためのその他のポイント
最後に、トランポリンのバッジテスト1級に合格するためのちょっとしたアドバイスをします。
1級では、練習の割合に注意してください。
もう少し言えば、ボール検定の割合を増やしてください。
言うまでもなく、1級のボール検定はかなり難しく、ボールを投げるコーチとの連携も大切です。
これまでのバッジテストではおそらくほとんどボール検定の練習はしてこなかったと思いますが、1級ではボール検定にもきちんと時間を割いてください。
コーチの練習の意味も込めて(笑)
トランポリンのバッジテスト1級まとめ
これでトランポリンのバッジテスト1級、いや、バッジテストは終了です。
中でも、ボール検定は非常に難しい内容化と思います。
トランポリンでは普通はしない動きがありますが、その他の種目への可能性は広がるのかなと思います。
日本体操協会(トランポリン協会)が定めるバッジテストはこれで終了ですが、地域によってはバッジテストに類似したトランポリンの検定もあります。
気になる方は自分の所属する体操協会やトランポリン協会、クラブの先生に聞いてさらなる高みを目指してください。